民事執行及び民事保全制度における供託実務
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①抵当権設定登記不動産と同様に担保権の実行として直ちに民事執行の申立てができることになります(民執190Ⅰ,159頁参照)。実際は,強制執行より担保権の実行のほうが多く利用されているようです。①金銭消費貸借契約②支払期限が到来 海山銀行…3000万円請求 青空さん…返済しない 留置権とは,他の者の所有物に関して生じた債権を持っているとき,その債権の弁済が完了するまで,その所有物を占有し,留置状態を存続させることができる特殊な法定担保物権です。 例えば商人間の取引で,債務者が取引代金を支払わないとき,債権者は債務者の取引上で預かっている債務者所有の物品や有価証券などを,取引代金全部の支払があるまで留置することができます(商521,民法上の留置権については民295Ⅰ)。 留置することによって,間接的に支払を強制することになりますが,いつまでも債務者が取引代金を支払わない場合は,留置物を執行官によって競売にかけることができます(民執195)。 しかし,留置権者(債権者)は優先弁済を認められていないのですが,債務者又は第三者が留置権者から目的物の引渡しを受けようとするときは,債執行裁判所土地青空広大(債務者)青空さん所有の土地36⑴ 留置権による競売第Ⅰ編 各制度の概要海山銀行(債権者)③確定判決は不要抵当権設定登記により強制執行の申立て(さいたま地方裁判所)不動産所在地(不動産とみなすものは登記すべき地)を管轄する地方裁判所(民執44Ⅰ) 3 形式的競売(民執195)

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