解 説 Ⅱ 調査/1 相続人と相続分 9被相続人には6000万円の遺産がある。その遺産を長男甲と次男乙で相続したが、遺産分割未了のまま長男甲が死亡し、長男の子供A・Bが再転相続で共同相続した。Aは、甲について1000万円の特別受益がある。乙・A・Bの相続分はいくらか。乙3000万円、A1000万円、B2000万円である。2つの見解の対立がある。① 抽象的権利説遺産分割前の相続人の権利は、遺産を取得することができるという抽象的な法的地位であって、遺産分割の対象となり得る具体的な財産権ではない。② 遺産共有説遺産分割前の相続人の権利は、各遺産に対し、法定(指定)相続分に基づいて遺産共有しているという具体的権利である。遺産共有の性質は、分割手続が異なる以外は、通常共有と同じである。遺産分割未了の時点では、遺産を法定相続分で共有していると考えて法律構成する。遺産共有の性質と割合ポイント①ポイント①設 例回 答1 遺産分割前の遺産の権利性
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