国交
27/44

第11 概 要 秘密保持契約(Non-disclosure Agreement/NDA又はConfi dentiality Agreement/CA)は,様々な取引を行う前段階において,互いに,あるいは当事者の一方が相手方に対して,企業秘密などの情報を提供する際に,その開示や用途を制限するために締結されるものです。取引が始まる前には,通常,当事者間には何ら契約関係がありませんので,相手方に提供した秘密情報を守るためには,秘密保持契約をもって相手方に義務を負わせる以外にほとんど手段がありません(日本でいう不正競争防止法等による保護が図れる場合もありますが,極めて限定されます)。 特に,自社が相手方に対して秘密情報を提供する場合は,事前の秘密保持契約は必須です。情報提供が先行してしまい,慌てて秘密保持契約を締結しようとするケースも見受けられますが,そこで相手方に締結を拒否されては困りますので,情報提供に先立って締結することが肝要です。 さらに,国際取引では,一旦,海外で情報が流出してしまうと,国内以上にその収束は困難となりますので,その重要性が高まります。 加えて,秘密情報が特許などによる権利化の対象となりうるときは,特許申請における新規性(世界中のどこにおいても公知とされていないこと)の要件を失わないために,第三者への開示に際しては秘密保持契約を交わすことが必須となります。 なお,目的とする取引について本契約が締結される場合は,その中で秘密保持義務が定められることが通常であるため,先立つ秘密保持契約を解消することもありますが,秘密保持契約の効力を引き続き併存させたり,本契約81秘密保持契約秘密保持契約

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る