iはじめに 経済のグローバル化と情報技術(IT)の革新的な発展により,ヒト,モノ,カネ(と,従来はいわれてきましたが,最近ではビッグデータなど情報の価値が増しており,更にキャッシュレス決済や暗号資産の発達により伝統的な貨幣概念も変化しています)のボーダーレスな移動が加速しています。また,日本国は,他の先進国に先駆けて先例のない少子高齢化に直面しており,どのような移民政策を打ち出したとしても,国内経済の長期的な鈍化は避けられない状況です。そして,そのような傾向は,今後ますます強まり,継続していくと思われます。 そのような中で,日本の企業が勝ち残り,成長していくには,国際的な視点が不可欠です。島国である日本の国民は,現在,平和で便利で豊かな暮らしを享受していることもあり,国内に安住しようとする傾向があるといえ,このマインドは経済活動にも影響を与えています。しかし,海外に目を向ければ,国内よりもはるかに大きな市場があり,地球規模では人口は増加しています。国境にとらわれずにビジネスができれば,チャンスは拡がっているはずです。 日本を代表するような大企業は,既にグローバルに活動しています。しかし,中小企業はまだまだです。2017年度に公表された中小企業庁の調査によれば,日本の企業の実に約99.7%は中小企業であり,伝統的な技術力も背景に,日本の経済を根底で支えているのが中小企業であることは明らかです。そして,グローバリズムとIT化によって,流通やサプライチェーンにも大きな変化が生じており,中小企業も自ら海外に進出できる環境になっています。中小企業の積極的な海外展開が,日本経済を維持,発展させるためのカギであると考えています。 もっとも,国境を一歩越えれば,日本とは大きく異なる文化,慣習,言語,そして法律に対応していかなければならず,日本の信頼関係をベースにしたはじめに
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