322 324 325327 328 329 329 330 330目 次xxvii1 信託行為について 2 特に問題となる信託条項 1 信託事務の内容─⑴不動産の管理 2 信託事務の内容─⑵不動産の運用・処分 3 信託事務の内容─⑶生活に必要な費用の支払 4 受託者の負担への配慮 5 信託の終了 Q91 遺言による信託 X(80歳)には,認知症が発症した妻A(75歳),長女Bと長男Cがおり,妻Aと自宅で生活しています。近所に住む長女Bが毎日のように自宅に訪れてXと妻Aの面倒を見てくれています。Xは,自分が生きている限りは自宅を誰の手にも渡したくありませんが,自分が死んだ後も妻Aが愛着を持っている自宅に住み続けるか,仮に施設に入ったとしても妻Aが死ぬまでは自宅を第三者の手に渡したくないと願っています。ただ,長男Cは自宅を売ろうと考えているようで,できれば長男Cには知らせずにことを進めたいと考えています。Q92 空き家発生防止信託 X(70歳)は,妻に先立たれ,自身が所有する自宅に一人で生活しています。長男A,長女Bにはそれぞれ家庭があり,自宅に戻ってくることはなさそうです。ただ,長男Aは近所で生活をしているため,よく様子を見に来てくれて,Xや自宅の状況を理解しています。Xは,ここのところ病気で入退院を繰り返しており,近々施設に入居することになるかもしれません。施設に入居すると自宅は空き家になってしまいますが,もし認知症になれば自宅を処分することもできなくなることが心配です。Q93 エスクロー信託(不動産売買等の決済における活用) 相談者X社は,この度,Y社から甲土地を購入することを前向きに検討していますが,甲土地に土壌汚染が存在しないかを確認するため,土壌汚染調査を行いたいと考えています。 一方,Y社としては,資金繰りの関係から,土壌汚染調査の結果を待たずに早期に甲土地を売却して現金化したいと考えていますが,早期売却のため必要以上に安価な売却も避けたいと考えており,できれば購入希望金額が高額なX社に売却したいとも考えています。
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