A1第1章 信託の設定第11第1章1章 信託の設定11章Q1 民事信託Q1 民事信託 民事信託をめぐる現在の状況を教えてください。 生前の財産管理から,死亡後の財産承継まで,高齢者の財産を,高齢者の意思に沿って管理活用できる方法としての有用性が社会的に認識されるようになったことから,民事信託が注目されています。1 平成18年信託法改正まで 大正11年の信託法制定後,平成18年信託法改正までは,信託銀行が主たる信託の担い手でした。 これに対して,平成18年信託法改正では,商事信託を使いやすくするだけでなく,福祉型信託など民事信託にも信託法が積極的に活用されることが期待されていました。2 平成18年信託法施行後 しかしながら,信託法(平成18年法律第108号)施行直後は,信託銀行以外には必ずしも信託が積極的に利用されているわけではありませんでした。 その理由としては,信託が信託銀行を担い手とする商事信託として理解されており,信託銀行以外の当事者や専門家が活用することができるものとして,認知されていなかったからかもしれません。 その後,施行10年を経て,社会において徐々に民事信託が認知されるよう
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