7_民信Q
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2⑴ 後見制度支援信託の利用の開始⑵ 教育資金贈与信託の普及⑶ 民事信託における信託口口座の利用の拡大第1章 信託の設定1)最高裁のパンフレット「後見制度において利用する信託の概要」(http://www.courts.go.jp/vcms_lf/210034.pdf)参照。2)信託協会(https://www.shintaku-kyokai.or.jp/products/individual/assetsuccession/education.html)参照。になり,民事信託を扱う専門家も多くなっています。 平成24年より後見制度において,後見制度支援信託が利用されています。後見制度支援信託とは,後見制度による支援を受ける本人の財産のうち,日常的な支払をするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し,通常使用しない金銭を信託銀行等に信託する仕組みをいいます。1) その後,後見制度支援信託の利用は拡大しており,後見制度支援信託に基づく信託銀行等に対する預貯金量も大幅に増えているようです。 信託銀行も,個人向けの信託商品の開発を試みており,子や孫への教育資金を長期にわたって給付していく商品として,教育資金贈与信託(委託者が,その孫等の教育資金として信託銀行等に金銭等を信託した場合に,1,500万円(学校等以外の教育資金の支払に充てられる場合には500万円)を限度として贈与税が非課税になる信託2))を開発しており,広く利用されています。 民事信託を設定する場合,金銭や預貯金を分別管理する方法として,通常,信託口口座を開設しています。今のところ全ての金融機関で信託口口座を開設できるわけではありませんが,積極的に信託口口座を受け入れている金融機関では,近時,年を追うごとに開設が増えているところです(→Q22参照)。3 近時の状況4 高齢社会と信託の有用性への理解の拡大 高齢社会の進展に伴い,認知症に関わる問題もよりクローズアップされるようになっています。そこでは,認知症となった高齢者の財産の管理や活用の手段が必要となり,さらには,高齢者の財産の次世代への承継も問題とな

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