7_民信Q
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1 信託財産たり得る財産(→Q19)2 信託財産の独立性第2章 信託財産第22第2章2章 信託財産2222章67⑴ 委託者からの独立性(委託者からの倒産隔離機能)2 信託財産の独立性(→Q29~32) 信託財産は,受託者に属する財産であって,信託により管理又は処分をすべき一切の財産(法2条3項)と定義されていますが,現行法では,信託財産とすることができる財産の範囲を制限する規定はありません。 ただ,信託財産とするためには,①金銭への換算可能性,②積極財産性,③移転ないし処分の可能性,④存在可能性・特定可能性の4つの要件が必要と解されています(詳細はQ19参照)。 信託の効力が発生すると,信託財産は受託者に移転し,委託者からも,受託者からも,また,受益者からも独立した特殊な財産となります。 委託者が信託を設定した場合には,当該財産は受託者に移転するため,委託者の責任財産から逸出します。自己信託の場合も,委託者(兼受託者)は以後,委託者自身の利益のために当該財産を保有するのではなく,受託者として受益者の利益のために別扱いする旨を宣言した結果として,当該信託財産は,委託者の財産から独立します。 したがって,委託者が倒産した場合にも,信託財産は,委託者の責任財産を構成せず,債権者による強制執行等も制限されます。⑵ 受託者からの独立性(狭義の「信託財産の独立性」) 信託財産の所有権は受託者に移転しますが,受託業務を行う上での便宜的

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