3 信託財産の公示⑶ 受益者からの独立性第2章 信託財産68(→Q20~24,Q29,Q30)な移転であり,受託者は,財産の管理・処分につき,信託目的に拘束され,自由に処分することはできません(法29条)。 また,受託者の固有財産とは異なり,信託財産について以下の取扱いがされることになっており,受託者から独立しているといえます。① 強制執行の制限 信託財産に属する財産に対しては,(信託財産責任負担債務に係る債権に基づく場合を除き),強制執行,仮差押え,仮処分若しくは担保権の実行若しくは競売又は国税滞納処分をすることができません(法23条1項)。② 受託者が破産等した場合 受託者が破産手続開始,民事再生手続開始,更生手続開始の決定を受けた場合であっても,信託財産に属する財産は,破産財団,再生債務者財産,更生会社財産に属しません(法25条)。③ 受託者が死亡した場合 受託者が自然人である場合であって,死亡により受託者の任務が終了した場合には,信託財産は法人となり(法74条),受託者の相続財産に属しません。 受益者は,受益権を有する者であって(法2条6項),信託財産から財産的給付を受けることができますが,受益者が取得するのはあくまで受益権であり,信託財産自体が受益者に帰属するわけではありません。 すなわち,受益者の債権者は信託財産自体を差し押さえることはできませんし,受益者に破産手続等が開始したとしても信託財産が破産財団等を構成するものでもありません。 信託財産は,受託者に移転され受託者に帰属している財産ですが,受託者個人の債権者は差押えができず,また,受託者が破産した場合にも,破産財団に組み込まれないという特殊性を有していますので,第三者から見て取引
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