7_民信Q
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Q19 信託することができる財産69Q19 信託することができる財産の安全を害さないよう公示する必要があります。 そこで,信託法は,一般的な物権変動のための公示(民177条等)に加えて,当該財産権が信託財産に属するものであること(受託者の固有財産から区分された独立の財産集合体である事実)を公示する定めを規定しています。具体的には,「登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については,信託の登記又は登録をしなければ,当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。」(法14条)と規定し,権利移転に登記・登録を要する財産については,別に信託の登記・登録を具備するよう要求しています。 登記又は登録が必要となる財産としては,不動産,船舶,航空機,自動車(軽自動車を除きます。),特許権等があります。これら財産には,信託設定による所有権移転の対抗要件に加えて,信託財産に属することの公示が求められます。他方,権利移転に登記又は登録を要しない財産,例えば,動産や金銭などについては,信託財産の公示は必要とされていません。 信託することができる財産,できない財産について教えてください。 信託することができる財産は,①金銭への換算可能性,②積極財産性,③移転ないし処分の可能性,④存在可能性・特定可能性の4つの要件を満たすことが必要とされており,①ないし④の要件を欠く財産は信託として設定できない財産となります。1 信託することができる財産について 信託法では,「信託財産」を,「受託者に属する財産であって,信託により管理又は処分をすべき一切の財産」(法2条3項)と定義しており,信託するA

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