変則型登記、権利能力なき社団・認可地縁団体等に関する登記手続と法律実務
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はしがきvた日本の歴史を紹介した後,それぞれの複雑な登記名義とは何か,今までどのように対応してきたかを述べていく。 国の所有者不明土地の対応においても,土地の所有者を調査するということが最初の作業であるものもある。その点では,複雑な登記名義は,そもそもどんな登記名義であり,なぜいつどのように出来上ったのかについては,本書が役に立つことを期待する。 現時点での知識をできるだけ収録したつもりだが,研究者でも明治時代のことなどよく分からない点も多く,研究者により意見が違うことも多いことをお断りしておく。また,ページ数の関係でも全てを掲載できていないことはお断りしておく。ぜひ今後の読者のご叱責,疑問,要望を待ちたい。 なお,この場を借りてお願いしたい。多数共有地,字持地,変則型登記,権利能力なき社団,認可地縁団体に関し,取り上げてほしい分野,特別事例の解決報告等があれば,是非,出版社にお寄せいただきたい。実務家における複雑な登記の解決のために参考にさせていただければ幸いである。 そして,本書が今後の所有者不明土地の有効活用,複雑な登記の解消,不動産登記の健全性の確保,に少しでも寄与できれば望外の喜びである。 また,まだまだ整理されていない事項もあり,それらについては今後の課題としていきたい。 令和元年11月司法書士 正影 秀明

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