ライ特
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。7保護の制度を設けるとしても,侵害行為に対する救済手段を定めることを原則とし,例外的に,一定の新規な情報を創作した者に対して排他的権利を与えるというのが自然な知的財産保護の法設計であり,歴史的な法の発展はともかく,現行法もそのような建付けの制度設計になっていると考えることができる。この点,本書で対象とする産業技術について,ネジメーカーA社がその製造販売するネジ製品に関して保有する技術情報を例に,具体的に考えてみる。⒜ A社が製造販売するネジ製品の寸法に関する情報は,製品自体が市販され,誰でもその製品を採寸することができるのであるから,営業秘密には該当しない。したがって,当該ネジ製品の寸法についてA社が特許等の産業財産権を取得していれば別論,そうでない限り,B社がA社のネジ製品を市場で購入して採寸し,設計図を作成して同寸法のネジ製品を製造販売したとしても,A社は営業秘密の侵害を理由にB社の製造販売行為を差し止め,又はこれに損害賠償を請求すること6はできない⒝ これに対し,A社が同ネジ製品の製造方法について営業秘密に該当するノウハウを保有している場合,B社が当該ノウハウをA社から窃取し,又は窃取された当該ノウハウを使用してネジ製品を製造し,またこれによって製造されたネジ製品を販売する行為は不正競争に該当7し,A社はB社に対してかかる行為の差止めや損害賠償等を請求することができる。しかしながら,当該製造方法をノウハウとして秘匿している限り,A社は当該製造方法自体について排他的権利を有するものではない。したがって,B社がたまたま同じ製造方法を開発し,又は不正行為の介在なくこの製造方法に関する情報を取得した場合等で第2節 物権的・非物権的知的財産権とライセンスの法的性質6 形態模倣の不正競争(不正競争防止法2条1項3号,19条1項5号)が成立する可能性は別論とする。7 窃取行為及び使用行為について不正競争防止法2条1項4号,製造されたネジ製品の販売行為について同項10号。

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