家事裁判から戸籍まで【親子・認知 編】
37/62

第2章第1 戸籍制度の目的1 身分関係の登録と公証 戸籍制度は,日本国民の出生から死亡に至るまでの親族的身分関係を,公文書である「戸籍」に登録(記録)して,これを公証することを目的としています。 身分関係の公証は,具体的には,各人の戸籍の謄抄本及び記載事項証明書によって行われます(戸10条・10条の2・12条の2)。49第1 戸籍制度の目的2 身分関係の発生・消滅等への関与 各人の身分関係の要件等は,民法に規定されていますが,その中の主要な身分関係については,戸籍上の届出の受理によって効力を生ずるものとしています。すなわち,民法は,婚姻,認知,養子縁組,協議離縁・離婚等の身分行為については,戸籍事務管掌者である市町村長(政令指定都市の場合は「区長」。以下同じ。)への届出とその受理によって成立するものとしています(民739条・764条・781条・799条・812条)。このことから,戸籍制度ひいては戸籍に関する事務は,人の身分関係の形成・変更等にも関与しているということができます。3 戸籍の利用目的 戸籍は,日本国民の親族的身分関係の公証を目的とし,親族・相続法上の重要な事実又は法律関係は,戸籍によって証明されます。このため,戸籍は,その制度の目的からしても国民の利用に供されなければなりません。ちなみに,戸籍に登録・公証される身分関係の内容と戸籍の利用目的は,おおよそ次の表のようになります。戸籍制度の概要

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る