家事裁判から戸籍まで【親子・認知 編】
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101第1 嫡出否認の裁判いて,父と子との法律上の親子関係を切断するには,嫡出否認の裁判を提訴する必要はなく,親子関係不存在確認の裁判を提訴することができます。いかなる場合に,嫡出の推定が働かず,親子関係不存在確認の裁判をすることができるかに関しては,「第2 親子関係不存在確認の裁判」を参照願います。⑶ 子の出生による入籍 法律上,子が夫の子と推定される場合は,子の出生届により,子は,夫婦の戸籍に夫婦の子として入籍します(民790条1項,戸18条・52条)。妻が,当該子を夫以外の者の子として出生届を提出しても,当該届出は受理されません。前婚の解消後300日以内,かつ,後婚の届出後200日以内に出生した子は,法律上,前婚の夫の子と推定され(民772条2項),かつ,後婚の夫の子とは推定されませんから,真実は後婚の夫の子であったとしても,前婚の夫の子としての届出しか受理されないのが原則です。たとえ,前婚の夫とは長期間完全に別居していても,戸籍の窓口ではそのことを書面により確認できないので,同様です。 もっとも,子の出生の届出の前に,夫(前夫)が提訴した嫡出否認の裁判が確定した場合や,夫(前夫)又は妻が提訴した親子関係不存在確認の裁判が確定したときは,当該確定した裁判の謄本を添付して子の出生届をすることができ,この場合は,妻の嫡出でない子又は後夫の子として出生届をすることができます。また,医師の作成した「懐胎時期に関する証明書」が添付され,当該証明書の記載から,推定される懐胎の時期の最も早い日が婚姻の解消の日よりも後である場合は,前夫を父としない出生の届出をすることができます。これらの場合は,戸籍の窓口でも,前夫の子と推定されるものではないことを確認することができるからです(平成19・5・7民一1007号通達)。⑷ 嫡出否認の裁判 嫡出否認の裁判に関しては,子が表見上の父母の戸籍に入籍している場合と,子の出生届未了の場合の両方を分けて検討します。なお,嫡出否認の裁判を提起するには,既に嫡出子出生届がなされていることを要しません(大判昭和13・12・24民集17・2533)。

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