特解
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害賠償請求するものです。例外は,債務不存在確認訴訟です(侵害していると警告された非権利者が権利者に対して提起するものです)。2.第1審は,東京地裁か大阪地裁の専属管轄であり,第2審は知財高裁の専属管轄です。 この提訴に当たっては,X社が特許権者の場合で考えると,次のような検討が必要になります。 ・充足性─Y社製品(方法)がX社特許発明を実施しているか ・無効の抗弁─X社特許権は有効か ・回避可能性─Y社製品(方法)はX社特許発明実施を回避可能か ・Y社からの反対提訴の可能性─Y社からの提訴を想定して,X社製品(方法)とY社特許権についての該当性(X社製品(方法)がY社特許発明を実施しているか),無効の抗弁(Y社特許権は有効か),回避可能性(X社製品(方法)はY社特許発明実施を回避可能か) X社からすると,充足性・有効・回避困難・反対提訴困難でなければなりません(全ての充足が必須要件です。)。逆に,Y社からすると,非該当又は無効又は回避可能又は反対提訴可能であれば,この難局を凌げます(どれか1つだけでもいいのです。)。 仮に,差止請求が認められると,ビジネスが止まってしまうリスクが生じ,企業にとっては,重大な損害発生リスク,あるいは重大な信用毀損リスクが生じます。民法の不法行為には金銭賠償の原則がありますが(民法722条1項),その特別法たる特許法には差止請求権が原則認められているので,事態は深刻です。しかし,充足性・無効の抗弁・回避可能性・反対提訴に係る上記判断は,一種のリスク判断ですが,実際には判断が難しいことが多く,実務家が苦労しているところです。 ここでは,個別のリスクを検討していますが,一般的な企業の特許権侵害訴訟リスクには,権利者側と非権利者側の問題が,次のとおり考えられます。 権利者側としては,特許権活用管理の合理的制度構築問題,紛争の合理的第1 特許権侵害訴訟のリスク3

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