逐親
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〜34 配偶者5 姻 族第1章 総則╱第725条(親族の範囲)総則725条730条して(同22条),「血統」を擬制した(727条の解説を参照)。 民法人事編の「血統」云々は,旧民法(明治31年法律9号)に承継されなかったが,民法人事編の基本的発想は,旧民法および現行法に引き継がれているといえよう。 すなわち,自然的(生物学的)に血統(血縁)が連結する親族関係を「自然血族」,養子縁組によって血統(血縁)が擬制された親族関係を「法定血族」という。 配偶者とは,夫から見て妻,また,妻から見て夫である。 なお,配偶者を親族に含める立法例は,比較法的には異例とされるが,立法者は「我邦ノ慣習」だから,配偶者を親族に含めることにしたという(梅3頁)。 婚姻の届出をした配偶者を「法律婚配偶者」「法律上の配偶者」などという。また,婚姻の届出をしていないが当事者に夫婦としての共同生活の実態が存在するような場合を「内縁(の)配偶者」「事実婚(の)配偶者」「事実上の配偶者」などという。いわゆる内縁保護法理(内縁準婚理論)によって,婚姻の届出をしていない配偶者にも一定の範囲で民法上の権利義務が認められる。また,例えば,厚生年金保険法3条2項の「この法律において,『配偶者』,『夫』及び『妻』には,婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。」のように,明文規定で婚姻の届出をしていない配偶者に対しても,法的効果を及ぼす法令が存在する(内縁の解説〔153頁以下〕を参照)。 旧民法人事編は,「姻属トハ婚姻ニ因リテ夫婦ノ一方ト其配偶者ノ親族トノ間ニ生スル関係」と定義していたが(同法24条1項),旧法および現行法の規定には承継されなかった。姻族とは,〈夫〉と〈妻の親族〉,また,〈妻〉と〈夫の親族〉との関係である。 例えば,〈妻の父母〉は〈夫〉にとって姻族1親等,〈夫の兄弟姉妹〉は〈妻〉にとって姻族2親等となる。また,例えば,自分にとって〈子の配偶者〉は姻族1親等,自分にとって〈兄弟姉妹の配偶者〉は姻族2親等となる。

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