逐親
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iはしがき執筆者を代表して 編著者 5年ほど前,『戸籍時報』誌編集長・髙山康之氏(当時)から私に対して,同誌に親族法の逐条解説を連載したいとの依頼があった。それが,同誌第738号から第779号まで(平成28年4月号から平成31年3月号まで)に連載した「親族法コンメンタール」(全36回)である。 連載にあたり,「親族法逐条研究会」を隔月で開催し,執筆分担者が準備した原稿を関係者で検討した後,初校・再校・念校を経て公表する方針とした。そして,東京または京都で合計19回の研究会を実施し,一度も途切れずに連載を完結することができた。 上述の通り,本書は,連載を基礎とする企画であるが(書籍化に際し,執筆者の一部が事情により交代した),約1年の準備期間を経て,連載後の法改正や新判例を反映した,最新の逐条解説(コンメンタール)となっている。 本書の執筆・編集方針は,雑誌掲載時と基本的に変わらない。すなわち,①判例・通説に即して簡潔・明解に条文を説明する,②いわゆる「戸籍先例」に十分な目配りをする,という2点である。これらは,他書にない,本書の特色である。 また,この間,債権法・相続法の大改正,成年年齢・婚姻適齢・特別養子の改正などに加え,重要な最高裁判例・下級審裁判例が頻出した。本書は,これらを反映した最新の逐条解説として,弁護士・裁判官をはじめとする法曹実務家はもちろん,戸籍行政に携わる方々の「最初に手に取る逐条解説」としての役割を十分に果たせる内容となっているはずである。 さて,連載当初から現在まで,日本加除出版株式会社の増田淳子氏には,地味で面倒な作業にトコトン付き合っていただいた。執筆者らは,同氏の明るい人柄と迅速で的確な編集能力に,いつも元気づけられるとともに,大いに助けられてきた。改めて感謝を申し上げたい。 令和2(2020)年1月はしがき本山  敦

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