。。71)Francis Barry McCarthy, Parents, Children, and the Court : The Confused Constitutional Status and Meaning of Parental Rights, 22 Ga. L. Rev. 975, 975 (1988) ; Barbara Bennett Woodhouse, Who Owns the Child ? : Meyer and Pierce and the Child as Property, 33 Wm. & Mary L. Rev. 995, 1044 (1992) [hereinafter Woodhouse, Who Owns].ローマ法の家長権については,田中通裕『親権法の歴史と課題』7頁以下(信山社,1993年)参照。2)Mary Ann Mason, From Father’s Property To Children’s Rights 6 (1994).3)Id. at 9.4)Id. at 7 ; Woodhouse, Who Owns, supra note 1, at 1038.アメリカにおいて,子どもに対する親の権限は,しばしばローマ法に遡り説明される。ローマ法では,家族についてのすべての権限を父親がもっていた。特に子どもは父親の所有物であり,売るも生かすも殺すも,すべてを決1)定できる権限をもっていたとされるそしてコモン・ローにおいても,子どもに対しては父親のみが権限を有しており,母親には何らの権限も与えられていなかった。父親は,管理や拘束という意味をもつcustody(監護)について排他的権限をもち,子どもの労働力や賃金も父親の支配下にあり,子どもは父親の所有物であったといわれ2)。これを継受した17世紀の植民地時代のアメリカでは,それに加え,ている親の子どもに対する権限の内容に責任が含まれるようになった。マサチューセッツ湾植民地法では,父親にすべての子どもと奴隷に対して宗教教育を義務づけ,毎週教会へ通わせることを求めており,それを怠ると罰金が科せら3)。しかしそれは,父親と子どもの関係というよりは,主人と使用人れていた4)という関係であったとされる19世紀に入ると,裁判所は父親の子どもに対する監護権の性質について,章第1第1節 親の権利議論1 親の権利の保障⑴ 子どもに対する親の権限アメリカにおける親の権利
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