日米親
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i日本民法の親権については,戦後間もない頃から,その改正について議論されてきた。今日においても改正議論の対象となっており,近年では,親権制限や特別養子縁組に関する民法改正が行われた。そして現在,共同親権法改正についての議論が行われようとしている。親権者にとって現実において問題となるのは,離婚後の親権である。日本民法は,父母の婚姻中は共同親権としているが,父母が婚姻関係にない未婚および離婚の場合は単独親権制度を採っており,親権は婚姻と連動して構成されている。そこで,父母は婚姻外においても,未成年の子どもに対して互いに親権をもつとする共同親権制度に改正すべきか,という議論が現れてきている。これに関して,すでにいくつかの提案がなされている(本書第Ⅱ部第3章第8節参照)。筆者も,日本家族〈社会と法〉学会において,その一員として議論に加わり,グループ案として報告した。しかし,親権の概念および内容について,私自身正確に理解できていなかったため,グループ内の議論に十分寄与できていたとはいえず,個人的に考える共同親権についてもうまくまとめきれていなかった。そこで,改めてこれまで研究してきたアメリカ法の親の権利議論および監護法制も踏まえて,わが国の親権について検討を加えたのが本書である。本書は,単に日本における離婚後の共同親権の立法化の是非を焦点とするのではなく,広く親権について再考するものである。本書は,すでに公表している論文を見直し,アップデートしたものを多く含んでいる。これまで公表してきた論文のなかには,検討や表現が不十分であったり,思い違いや間違いをおかしているところも多々あったりしたため,全面的に見直し,構成し直した。過去の論文の間違いを改めるためにも,本書をまとめる意義があったかと思う。しかし,本書においても不十分なところは大いに残されているであろう。そのような点は,大方のご批判を乞い,今後の研究に生かしていきたい。筆者が親権に関する研究を始めたのは,「児童の権利条約」が国連総会で採択された後に,熊本大学法学研究科修士課程において,指導教授の浦本寛雄先生から,これからは子どもの権利の時代であるとして,子どもの権利と親権についてのテーマを与えられたことによる。研究生活の出発点として,重要な契機を与えていただいた。その後,上智大学法学研究科博士後期課程はしがき

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