資産離
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1 高額所得者の婚姻費用・養育費の計算方法  631高額所得者の婚姻費用・養育費の計算方法 改定標準算定方式(を基にした改定標準算定表)の上限となっている年収(総収入)は,給与所得者については(源泉徴収票の「支払金額」)2000万円,自営業者については(確定申告書の「課税される所得金額」)1567万円(標準算定表では1409万円)です(以下「上限年収」といいます)。 そこで,当事者の一方または両方の総収入がこの上限を超過している場合(以下「高額所得者」といいます)に婚姻費用や養育費をどのように計算するのかが問題となります。 まず,婚姻費用について実務で用いられる計算方法(考え方)は主に4つに分けられます。なお,養育費についてはそのようなバリエーションはありません。 いずれにしても,高額所得者の婚姻費用・養育費の計算においては,定型化しにくい個別的な事情による影響が大きいです。そのため,判断の幅が大きい傾向にあります。つまり,予測できる精度が低い(再現可能性が低い)ということもできるため,その点は注意が必要です。 以下,具体的な計算方法について説明します。⑴ 上限頭打ち方式(婚姻費用)ア 上限頭打ち方式の考え方 高額所得者の婚姻費用の計算方法の1つは,標準算定表の上限年収による婚姻費用を適用するというものです。標準算定表では,義務者の年収を当てはめようとすると最上段よりも上に突き抜けるはずですが,最上段で止めてしまうという単純な発想によるものです。理論的には,上第4婚姻費用・養育費

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