弁承継
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第3章インタビュー 木村道哉氏(弁護士/税理士)第三者承継の支援制度について木村(道):事業承継について悩まれている経営者の中には,面倒なので廃業してしまおうと考える方も結構いらっしゃるように思います。従業員の雇用や地域経済への影響を考えれば,廃業するくらいであればM&Aで第三者に事業を承継してもらった方がよいとも思うのですが。松井:はい,特に廃業を検討されている経営者の皆様方には,自分の会社は第三者に売れる可能性があるかもしれない,ということを是非ご認識いただきたいと思います。まずは弁護士や税理士といった専門家にご相談していただいた上で,廃業するのがいいのか,M&Aで売却するのがいいのかをご検討いただきたいと思います。廃業ではなく売却すれば手元に資金が残る可能性がありますので,そういった比較考量を是非行っていただきたいです。木村(道):私自身が関与した事案でも,第三者へのM&Aによって,無事,事業が継続でき,かつ,経営者も手元資金を得られたとい施策を進めているところです。木村(道):事業引継ぎ支援センターが今後さらに活動領域を広げていくという可能性もあるのでしょうか。うことがありました。ただ,おっしゃっていただきましたとおり,M&Aとなると,弁護士・税理士等の専門家が関与しないと実行できない場合もあります。そういった場合の公的な相談窓口・支援機関についてはいかがでしょうか。松井:事業引継ぎ支援センターが各都道府県にありますが,中小企業の数は大変多く,センターだけで全て対応できるわけではありません。やはり弁護士・税理士等の専門家のほか,金融機関,仲介事業者といったメンバーが総動員で支援することが大事です。中小企業庁に聞く事業承継の現状と課題  197

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