第1 雇止めの定義と法規制1 雇止めの定義と法規制1421 雇止めの定義と現在の法律 雇止めとは,一般的には期間の定めのある雇用契約を反復更新した後に,期間満了を理由として更新をせずに雇用契約を終了させることをいう。民法の定めによれば,期間の定めのある雇用契約は,契約期間が満了すれば当然にその効力が終了するものであり,契約更新は新たな雇用契約の締結であることから,契約更新を行うか否かは当事者の自由であり,更新しないことに格別理由は必要ないはずである。しかしながら,判例において,いわゆる解雇権濫用法理の類推適用という形で雇止めについてその有効性が判断されるようになり,蓄積された判例法理が平成24年に立法化され,労働契約法19条において雇用契約を規律するルールとなっているところである。 労働契約法19条の条文は以下のとおりである。 「有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって,使用者が当該申込みを拒絶することが,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められないときは,使用者は,従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。① 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって,その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが,期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。② 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。」 図解すると,下記のとおりである。〔雇止め〕
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