独知
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Q1A独禁法は,公正かつ自由な競争の促進を目的とする法律である。独禁法は,かかる目的を実現するために,各種規制を定めており,その主なものとして,私的独占,不当な取引制限及び不公正な取引方法が挙げられる。このような規制に違反すると,刑事罰,課徴金納付命令又は排除措置命令といった法的措置が採られることとなる。1 根岸哲ほか『独占禁止法概説〔第5版〕』(有斐閣,2015)5〜9頁,菅久修一ほか『独占禁止法〔第3版〕』(商事法務,2018)393〜394頁。Q1 独禁法とは?3そもそも独禁法とはどのようなことを規定している法律なのか。●解 説1 独禁法の制定経緯独禁法は,正式名称を「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」といい,日本が第二次世界大戦後における占領下にあった1947(昭和22)年,連合国軍総司令部主導による財閥解体といった経済民主化の流れの中で制定された1。2 独禁法の目的独禁法の目的は,公正かつ自由な競争を促進すること(同法1条),すなわち自由競争経済秩序にあるとされている2。公正かつ自由な競争が確保されている市場においては,市場メカニズムにより,①事業者は,価格・品質競争の中で,創意工夫し,効率性を独禁法とは?

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