独知
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Q10デジタル・プラットフォーム事業の特徴として,デジタル・プラットフォーム事業者が情報通信技術やデータを活用して第三者にオンラインのサービスの「場」を提供し,そこに異なる複数の利用者層が存在する多面市場を形成し,いわゆる「間接ネットワーク効果」が働くということが挙げられる。デジタル・プラットフォーム事業においては,一旦市場支配的地位を確保した場合,当該事業者は競合他社との関係で圧倒的に有利となりやすく,独占化・寡占化する傾向になりやすいことや,利用者が当該プラットフォームの利用に閉じ込められるという,いわゆる「ロックイン効果」が働きやすく,デジタル・プラットフォーム事業者の独占・寡占の維持が生じやすい。そのため,デジタル・プラットフォーム事業者が自らの支配的地位を濫用し,利用者や取引先事業者に不当な不利益を課すことにより公正な競争をゆがめたり,競争者となるおそれのある新規参入者を不当に排除するなど自由な競争を妨げる行為がみられる場合には,競争政策上看過できず,当該行為を規制する必要が生じることとなる。現状,公取委のガイドラインが整備され,新たな立法もなされた状況である。Q10 デジタル・プラットフォーム事業の“いま”113デジタル・プラットフォーム事業とはどのようなものか。デジタル・プラットフォーム事業に特化した規制が議論されている背景とその現状はどうか。●解 説1 デジタル・プラットフォーム事業とその特徴⑴ デジタル・プラットフォーム事業とはデジタル・プラットフォーム事業を行う事業者(本問ではこのような事業者を「デジタル・プラットフォーム事業者」という。)の代表格として挙げらデジタル・プラットフォーム事業の“いま”A

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