24 GAFAなどによる新興企業の買収,例えばフェイスブックによる対話アプリ開発業者のWhatsAppの買収(2014),マイクロソフトによるビジネスSNS(交流サイト)開発業者のLinkedInの買収(2016)などが想起される。第3章 応用編其の弐〜独禁法における最新トレンド〜128また,潜在的競争者との企業結合24についての考え方が明記されたのも特徴である。企業結合ガイドラインは,ある市場において既に事業を行う他方当事会社が,その事業を行っていないがデータ等の重要な投入財を有し,当該市場に参入した場合に有力な競争者となることが見込まれる一方当事会社と混合型企業結合を行うことにより,一方当事会社の新規参入の可能性を消滅させる場合には,そうでない場合と比較して,競争に及ぼす影響が大きいという考え方を示した(同ガイドライン第6の2⑵)。ウ 手続対応方針の改定内容独禁法では,企業結合のうち一定の要件を満たすものについては,事前届出の義務を課している(同法10条2項等)。しかしながら,かかる一定の要件は,現状をベースにしたものであり,サービスの普及が急速に進み,数年で大きなシェアを握ることも可能であるデジタル分野における動きに対応しきれないのではないか,との懸念があった。そこで,今回の改定により手続対応方針は,仮に事前届出の基準を満たさない企業結合であっても,買収に係る対価の総額が大きく,かつ,国内の需要者に影響を与えると見込まれる場合には,企業結合審査を行う旨を明らかにした。そして,買収に係る対価の総額(当該買収に関連して授受される金銭,株式,証券,その他の資産を合算したもの)が400億円を超えると見込まれ,かつ,①被買収会社の営業拠点や研究開発拠点等が国内に存在する場合,②被買収会社が国内の需要者を対象に営業活動を行っている場合,③被買収会社の国内売上高合計額が1億円を超える場合のいずれかに該当する場合などには公取委に相談することが望ましい
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