婚継続
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キーポイント 離婚慰謝料請求権の性質について,「相手方の有責不法な行為によって離婚するのやむなきに至ったことにつき,相手方に損害賠償を請求するもの」であると判示した最高裁判決として重要である。参考裁判例:離婚慰謝料166 「離婚の場合に離婚した者の一方が相手方に対して有する財産分与請求権は,必ずしも相手方に離婚につき有責不法の行為があつたことを要件とするものではない。しかるに,離婚の場合における慰藉料請求権は,相手方の有責不法な行為によつて離婚するの止むなきに至つたことにつき,相手方に対して損害賠償を請求することを目的とするものであるから,財産分与請求権とはその本質を異にすると共に,必ずしも所論のように身体,自由,名誉を害せられた場合のみに慰藉料を請求し得るものと限局して解釈しなければならないものではない。されば,権利者は両請求権のいずれかを選択して行使することもできると解すべきである。ただ両請求権は互に密接な関係にあり財産分与の額及び方法を定めるには一切の事情を考慮することを要するのであるから,その事情のなかには慰藉料支払義務の発生原因たる事情も当然に斟酌されるべきものであることは言うまでもない。」

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