第1節 広告表示の規制についての考え方と法律2家電製品のような耐久消費財である場合は,その商品の性能や機能,使用方法・条件,価格,修理に関する事項,保証に関する事項等であり,食品であるような場合は,原材料,添加物,原産地,量目,価格,消費期限,保存に関する事項等である。 商品に関する情報については,事業者と一般消費者との間では,非対称性が格段に大きい。したがって,広告表示については,一般消費者の適正な商品選択に資するために必要な事項について正しく行われるものでなければならない。このために,法律は,①一般消費者が適正に商品選択ができるための必要な事項について広告表示をすることを義務付ける必要があり,また,②広告表示の内容に虚偽や誇大なものがある場合は,これを取り締まらなければならない。 前記①のために,法律は,一定事項の表示の義務付けを行っている。消費者基本法15条は,「国は,消費者が商品の購入若しくは使用又は役務の利用に際しその選択等を誤ることがないようにするため,商品及び役務について,品質等に関する広告その他の表示に関する制度を整備し,虚偽又は誇大な広告その他の表示を規制する等必要な施策を講ずるものとする。」と規定し,広告表示規制における基本的考え方を示している。そして,特定商取引に関する法律(以下,「特定商取引法」という。),割賦販売法,食品表示法,日本農林規格等に関する法律(以下,「JAS法」という。),家庭用品品質表示法,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下,「薬機法」という。),酒税法,宅地建物取引業法等の各法律においては,一定事項の表示の義務付けを行っている。 前記②については,不当景品類及び不当表示防止法(以下,「景品表示法」という。)は,商品の取引に関連して,不当な景品類及び不当表示による顧客誘引を防止するため,一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある過大景品及び不当表示を禁止することを規定している。前記①に関連するものとして述べた各法律においても不当な顧客誘引規制を行っている。 ①及び②の表示の義務付け及び不当顧客誘引規制は行政的規制であり,そ
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