vi があります。 しかし、その不安の多くは法律問題ではなく弁護士だけで取り除くことはできません。そのため、一人暮らしの高齢者の不安を取り除くには、弁護士だけでなく他士業の先生方や宗教者、葬儀社、遺品整理業者、保険会社やFPなど多くの方と一緒に協力をすることが不可欠だということを知りました、 以来、高齢者問題に関わる方々と協力をして対応をするという活動をしてきました。 平成21年には「終活」という言葉が生まれ世間に終活の必要性が知られるようになり、終活ブームともいわれる流れの中で、私も弁護士の中でもおひとり様の問題を比較的多く取り扱う「終活」弁護士として認知されるようになりました。 それ以降、家族葬を中心に扱う葬儀社、遺品整理会社、機械搬送式納骨堂、散骨事業者、葬儀用保険会社など多くの終活関連事業者の法律顧問を務め、孤独死をめぐる実務に関わらせていただきました。また、私自身も高齢者が孤独死(自死も含みます。)した現場(遺体は取り除かれています。)に実際に趣きました。孤独死した直後の葬儀の手配、その後の財産の整理、時には遺族がいない方に代わって遺体引取りの手配をして火葬や遺品整理に立ち合ったり、遺族に代わって海洋散骨をしたりもしました。 そして、この度、日本加除出版からお声がけいただき、孤独死の実務について書籍を出版する機会を頂戴できたことは望外な喜びです。4 本書の趣旨 「孤独死」は、相続だけでなく、葬儀や遺品、墓など様々な問題に関連してきます。 孤独死は社会情勢の変化によって急速に増えてきている現象であり、法などで想定されておらず、新たな法律問題になっていたり法律で解決できないことも多い分野です。 遺体を引き取る義務があるか、遺体を引き取ったとして葬儀はどうなるか、費用をかけずに遺骨を供養するにはどのようにすればよいか、お墓はどうすればよいのか、必ずしも判例、裁判例があるような分野ばか
元のページ ../index.html#10