孤独死が起きた時に、孤独死に備える時に Q&A 孤独死をめぐる法律と実務
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Q1.相続に関する基礎知識① 相続人の範囲について  32 配偶者 相続人となる配偶者は、法律上有効な婚姻、すなわち民法739条の婚姻届出をした配偶者を意味します。 相続人になるには日本国籍を有している必要はないので、配偶者が外国籍であっても法律上有効な婚姻をしていれば相続人になります。 批判が多いところではありますが、現在のところ配偶者は民法739条の婚姻届出をした配偶者に限られているので、内縁の配偶者には相続権が認められていません(仙台家審昭和30年5月18日家月7巻7号41頁)。 配偶者が常に相続人になる根拠の一つとして、配偶者が生前被相続人の財産形成に寄与をしているということが挙げられることが多いですが、配偶者が相続人になるには配偶者でさえあればよく、同居の有無や生前の被相続人との関与の度合いは関係がありません。 孤独死の場合、配偶者がいないかというとそうではありません。例えば、妻はいて法律上は離婚していなくても、ずっと別居しておりもう40年以上会っていないというようなケースもあります。このような場合、夫の財産形成に一切寄与していないといえますが、法律上の婚姻が継続している限り妻は相続人になります。 また、離婚調停中であっても、離婚成立前に相続が発生すれば配偶者は相続人になります。3 第1順位の相続人は子 子(及びその代襲相続人)は第1順位の相続人となります(民法887条)。 子が数人いるときは、同順位で相続することになります。長男が優先ということはありません。 子が先に亡くなっていた場合、孫(直系卑属)がいれば、孫が相続人になります。子も孫も亡くなっている場合に、ひ孫がいれば、ひ孫が相続人になります。これを「代襲相続」といいます。ように血族相続人については順位が付けられており、先順位の相続人がいない場合に次順位の者が相続人になります。 これに対して、配偶者(夫又は妻)は常に相続人となります(民法890条)。

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