孤独死が起きた時に、孤独死に備える時に Q&A 孤独死をめぐる法律と実務
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 法定相続人は甥・姪までなのでせいぜい10人くらいで収まります。しかし、実務上は、相続人がいっぱいに膨れ上がるということがままあります。 被相続人の遺産相続が開始した後、「遺産分割協議」や「相続登記」を行わないうちに相続人の一人が死亡してしまい、次の遺産相続が開始されてしまったような数次相続の場合は、相続人の範囲が拡がります。 典型的なケースは、下記の図のように子がいない夫婦の夫が亡くなり、遺産分割協議をする前に妻が亡くなったような場合です。 このような場合、夫の相続人となる夫の兄弟や甥・姪と妻の相続人となる妻の兄弟や甥・姪が遺産分割協議をしなければいけないということもあります。全く知らない、顔を合わせたことのない人同士で遺産分割協議をしなければならなくなります。 私が扱った相続案件で最も相続人が多かった事例では、相続人が60人近くいました。不動産登記に相続登記がされないまま、何回も相続が繰り返された結果、相続人の人数が膨れ上がってしまったという案件です。登記名義人は江戸時代に生まれた方でした。 なお、今後は、法改正により相続登記が義務化されるため(改正後不動産登記法76条の2第1項)、登記名義がそのままという事態は減ってくるかと思われます。Q1.相続に関する基礎知識① 相続人の範囲について  7Column(半年前に死亡)兄兄夫妻弟甥甥姪甥姪甥姪甥(おば)長男(既に死亡)相続人がいっぱい

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