孤独死が起きた時に、孤独死に備える時に Q&A 孤独死をめぐる法律と実務
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Q42.孤立死の防止  1952 見守りサービス 親族はいるけれど、遠くに住んでいるし、働き盛りで忙しいからなかなか連絡は取れないと不安を抱かれる方もいます。 そのような不安を解消するために、最近では、自治体や企業が高齢者の見守り・安否確認サービスを提供しています。 例えば、郵便局も「みまもり訪問サービス」を提供していますし、ガスの利用状況を遠くの家族に配信するというサービスやインターネットに繋がっているポットが、離れている家族にポットの利用状況を知らせるサービスなどもあります。 このようなサービスを利用することで、高齢者の方がもし動けなくなったとしても、すぐに気付いてもらえます。 また、見守り契約というサービスを提供している会社や士業もあります。見守り契約は、司法書士や行政書士が任意後見契約などと一緒に提いるのも事実です。自分が死んでも誰にも気付いてもらえないかもしれないと不安に思っている方は、是非、「結縁」を試みてください。 「結縁」は、もともとは仏教用語なのですが、私が尊敬するご住職は、血縁、地縁、社縁といった伝統的な縁ではない、新しい縁を作ることによって孤立することを防ぐための活動という意味で使っていました。 おひとり様は、決して、本当に「ひとり」なのではありません。周りを見渡せば多くの方たちがいるはずです。誰かに相談するということも、「結縁」のスタートかもしれません。 私の関わった案件でも「墓友」が遺体を見つけてくれたというケースもありました。納骨堂や合祀墓を事前購入する場合、同じような境遇、つまり一人暮らしで墓の面倒を見てくれる人がいない方々が集まっていることが多いと思います。事業者によっては、そのような方が横のつながりを持てるようにイベントなどを開催しています。そこで友人になった人が、イベントに参加していない依頼者を不審に思い、自宅まで確認に来てくれて遺体が発見されました。 その他にも例えば終活バスツアーなどを企画している旅行会社もあり、高齢者の一人暮らしの方々が新たな縁を作る機会が増えています。 是非、結縁にチャレンジしていただければと思います。

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