孤独死が起きた時に、孤独死に備える時に Q&A 孤独死をめぐる法律と実務
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  i1 孤独死の増加と社会問題 皆様は「サザエさん」を御存じでしょうか。いわずと知れた国民的アニメです。 サザエさんの家族構成を思い浮かべてください。サザエさん一家は、磯野波平・フネの夫婦、そしてその子であるサザエ、カツオ、ワカメ、さらにはサザエの夫であるフグ田マスオ、サザエとマスオとの間の子であるフグ田タラオの7人で暮らしています。 このような例は極端かもしれませんが、かつては、2世代、3世代の同居ということは普通でした。そのような暮らしであれば、孤独死すなわち自宅で一人で亡くなってなかなか発見されないという事態はあまり起きることはありません。 しかし、今は、核家族化、少子化、非婚化に伴い、高齢者の一人暮らし、二人暮らしの世帯が多くなってきています。 令和元年の「国民生活基礎調査」によると65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、単独世帯すなわちおひとり様が28.8%を占めます。また、夫婦のみの世帯すなわちおふたり様が32.3%を占めます。おひとり様、おふたり様の世帯は合わせて61.1%、つまり子供と同居している高齢者の方が少数派なのです。 夫婦二人暮らしの世帯は、先にどちらかが亡くなれば「おひとり様」となることが多いと思いますので、おふたり様は、おひとり様の予備軍に当たるといえます。 高齢者が一人で暮らしていれば、当然、自宅で一人で亡くなるということもあり得ます。 一人で暮らしている高齢者が増えるということは、当然、孤独死する人も増えるということなのです。2 孤独死について 孤独死という言葉の歴史は意外に古く、1970年代から使用されていはしがき

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