善管
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第1節 総 論第2章 役 第2章91第1節 総 論/Q24員 取締役の善管注意義務はどのようなものか。いわゆる「経営判断の原則」とどのように関連するか。取締役は「善良な管理者の注意」をもって事務処理を行わなければならない。「善良な管理者の注意」とは,一般的平均人に要求される注意のことである。取締役は,経営に関する専門家なので,経営に関しては裁量が与えられ,いわゆる「経営判断の原則」が適用される。解 説1 取締役の善管注意義務 取締役は会社と委任契約を締結しているから,民法644条に基づき善管注 取締役は会社と委任契約を締結しているから,民法644条に基づき善管注意義務を負う。 そのため,取締役は,「善良な管理者の注意」をもって事務処理を行わなければならない。 そして,「善良な管理者の注意」とは,当該取引において一般的平均人に要求される注意のことであると解されている。大まかにまとめれば,通常の取締役であれば行うであろう注意をしていれば,「善良な管理者の注意」をしていることになるから適法ということである。 このように,「善良な管理者の注意」をもって行っているかどうかという行為基準によって,取締役の行為が適法なのか違法なのかを判断することになる。24役員に関する善管注意義務

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