善管
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第1節 システム開発第3章善管注意義務第3章 システム開発・運用等191第1節 システム開発/Q57 システム開発について善管注意義務違反に基づく請求をすることができるか。善管注意義務ではないとすると,どのような義務に基づいた請求をすることができるか。準委任に関する部分については善管注意義務に基づく請求になるが,プロジェクト・マネジメント義務に基づく請求を検討することも少なくないと思われる。解 説1 システム開発契約の法的性質 システム開発契約の法的性質は何であろうか。 システム開発契約の法的性質は何であろうか。 請負契約であればベンダー(受託者)が仕事を完成させて引き渡す義務を負うことになるし(契約不適合責任が問題になる),準委任契約であればベンダーが善管注意義務(民644条)を負うことになるため,問題となる。 もっとも,システム開発契約は,国家レベルの大規模なものからごく小規模なものまで,個別具体的に様々な類型があり,各工程によっても性質が変わってくる。 システム開発契約の場合,概ね,①ユーザーの課題を整理して,システム化を計画する企画段階,②プログラミング等の開発段階,③システムの環境を整備し,不具合の検証をする運用段階などに工程が分かれるからである。 そこで,令和2(2020)年12月,独立行政法人情報処理推進機構(IPA)・経済産業省が公表した「情報システム・モデル取引・契約書〔第2版〕」で57システム開発・運用等に関する

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