〔17〕〔18〕第1章 総 説 1924a)Kgl. LG Hof, JW 1910, 597; Kgl. LG Leipzig, JW 1910, 727.24b)RGZ 119, 379(384).24c)Kutsch, a.a.O.(Fn.24), S.8.1 問 題 1877年の民訴法によって抗告制度が導入され,真正の上訴として位置づけられたが,すでに述べたように,すべての決定・命令が抗告に服したのではなく,民訴法は抗告により不服申立てのできない決定・命令を定めた。しかし,そのような抗告を許されない決定があらゆる法律上の基礎を欠く場合,または,「はっきりした法律違反(greifbare Gesetzwidrigkeit)」に基づく場合にも,抗告を提起することができないのは不当ではないかという問題が生じた。2 判例の展開 区裁判所は訴訟を特別裁判所に移送することができないことが1909年の改正民訴法の理由書から明らかになっていたところ,ある区裁判所が訴訟を特別裁判所に移送した。民事訴訟は抗告のできる裁判を個別に明らかにし,移送の裁判に対して不服申立てができることは規定されていなかったが,いくつかのラント裁判所は法律に反した移送決定を存続させることは秩序ある司法の使命と合致しないという理由で,この決定に対する抗告を許した。24a)1928年には,ライヒ裁判所は法律上の基礎を欠く移送の裁判について不服申立てを許した。24b)この判例は第二次世界大戦の開始時まで存続したといわれる。24c) 戦後になって1951年に,BGHZ 1, 341(342)は,不服申立てを許さないと定められているZPO281条による移送決定の拘束力について,移送決定があらゆる法律上の基礎を欠く場合には移送決定の拘束力は消滅すると判示した。BGHZ 2, 278(280)は,第一審裁判所として上級ラント裁判所に移送する裁判には不服申立てができるとする。BGHZ 28, 349(351)は,「はっきりした法律違反(greifbare Gesetzwidrigkeit)」がある場合には,法律の規定によって不服申立てのできない決定は,法律に定めのない抗告可能性(eine gesetzlich nicht geregelte Beschwerdemöglichkeit)によって原則第3款 ドイツの判例による「特別の抗告(außerordentlicheBeschwerde)」と聴聞責問(Anhörungsrüge)の新設
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