債権回収
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iii 経営紛争研究会は,中小企業が直面する可能性がある重大な経営問題に対し,中小企業経営者がどのように対応したら良いかということを,具体的かつ実践的に提示することを目的として,有志の弁護士らによって組成された研究会です。同研究会の研究成果として,平成29年5月に『経営権争奪紛争の法律と実務Q&A』,平成31年3月に『債権法改正対応!保証契約の法律と実務Q&A』が,いずれも日本加除出版株式会社より発行されております。 前回の研究対象が債権法改正に関連する保証契約であったことから,今回の研究対象を決める際も,法改正がなされる分野を中心に検討した結果,折しも検討を開始した昨年5月に改正民事執行法が公布されたこと(本年4月施行)もあり,改正民事執行法に絡むテーマを執筆対象とすることとしました。 ただ,法改正を解説する類書は各方面から出版されることが予想されたため,当研究会は,法改正に言及することを意識することは当然としても,それに止まらず,中小企業やその債権者が実際の現場で直面することが想定される債権回収の場面における「あの手この手」の回収手段を示すことにより,中小企業経営の現場において,法律実務家,企業経営者,債権者にとって真に役立つ本となることを目標として執筆を進めました。 本書は,実務で実際に起き得る債権回収に関する間題に素早く対応できるように,時系列順に債権回収の準備・資産調査から始まり,交渉による債権回収,法的手続による債権回収という流れに沿って構成してあります。また,担保権による債権回収及び債務者以外の第三者等からの債権回収については独立した章を設け,その他倒産,税務,海外等における諸論点にも配慮するよう工夫しました。さらに,出来るだけ具体的に問題点を把握出来るよう,図表を駆使し,事例形式での解説方法を取り入れています。加えて,読者の便宜を図るため,巻末資料として事項索引・判例索引を収録しました。是非,皆様が抱える債権回収の問題を解決する際,本書を参考にして頂ければ幸甚です。はしがきはしがき

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