A 「ええ,かまいませんよ。いつでも私にお電話くださるようにお伝えくA 「ああ,相続でお困りということでお聞きしております。」Y 「そうなんです。一度専門の方にご相談させていただきたいと思いまし登場人物弁護士A/イソ弁B/事務員C顧問先D商事/社長D/相談者Y―A弁護士のデスクの電話がなった。「D商事のD社長からお電話です。」という事務員Cの声が。顧問先の社長からの電話だ。社長の方から掛けてくるのも珍しいな,と思いながら,A弁護士は受話器を取った。D 「Dです。A先生,ご無沙汰しています。」A 「どうもどうも。今日はまた,どうかされましたか。」D 「ちょっと相談させていただきたいことがありまして。ウチの話じゃないんですけどね。取引先の社長の奥さんなんですけど,先日お父さんが亡くなられて,その相続で困っていらっしゃるらしいんです。なんでも,遺言書のせいで自分には何ももらえないんだとかで。私も聞いた話で詳しくは分からないので,一度,話を聞いてあげてもらえませんか。」ださい。」―数日後。A弁護士に電話があった。Y 「Yと申します。Dさんからご紹介頂いて,弁護士さんの事務所だということでお電話させていただいたのですが。」て。」A 「分かりました。では,近いうちに一度私の事務所にお越しいただくとして,簡単にどんなお話かお伺いしておきたいので,少しお時間をいただ第1章 最初の相談9〜方針の決定から資料収集まで第1章 最初の相談
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