遺言無効
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印をしなければならないようになりました(民法968条2項)。また,2020年7月10日から「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(平成30年法律第73号。以下「遺言書保管法」といいます。)が施行されました。遺言書保管法では,遺言者が遺言書保管所(全国の法務局のうち,法務大臣の指定する法務局)において,自筆証書遺言に係る遺言書の保管を申請できる制度が整備されています。自筆証書遺言については原則として家庭裁判所の検認手続(民法1004条)が必要とされていますが,遺言書保管所に保管されている自筆証書遺言については,家庭裁判所における検認手続を要しないこととされました。証人2人以上が立ち会い,遺言者が,遺言の趣旨を公証人に口授し,公証人が筆記して遺言者及び証人に読み聞かせ又は閲覧させ,遺言者及び証人がこれを承認して署名押印した上,公証人が署名押印する方式の遺言を公正証書遺言といいます(民法969条)。公正証書遺言に関しては,家庭裁判所における検認の手続は不要とされています(民法1004条2項)。遺言無効との関連でいえば,公正証書遺言においても遺言能力がなかったものとして争われる事例が多いですが,その他では「口授」の要件を満たすか争われることがよくあります。口授とは,遺言者が遺言の趣旨(内容)を公証人に直接口頭で述べることをいいますが,この定義からも明らかなとおり,言語を発してすることを要します。判例は,疾病のために言語が不明瞭となった者に対し,公証人が質問を発し,遺言者が仰臥したままわずかに動作で答えたという事案につき,遺言者が公証人の質問に対し言語をもって陳述することなく,単に肯定又は否定の挙動を示したにすぎないときは,口授があったとはいえないと判示しています(最判昭和51年1月16日裁判集民117号1頁)。また,遺言者が公証人と手を握り,遺言公正証書案文の読み聞かせに対し手を握り返したにすぎない事案において,言語をもって陳述していないから,口授があったと認められない旨判示したものがあります(東京地判平成20年11月13日判時2032号87323 公正証書遺言

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