条項例2④ コメント⑵受託者の注意義務の程度の軽減① 定めを設ける必要が想定される状況② 定めを設けるメリット③ 定めを設けるデメリット特定の者の知識及び経験に見合う義務を課そうとするものであるため,その者について受託者の任務終了事由が発生し,別の者が新受託者に就任したときに同じく高度な注意義務を維持することが適切かどうかも考慮する必要がある。新受託者に交代した場合に通常の注意義務を課す旨を定めたり,交代のタイミングで信託の変更をして注意義務の程度を変更したりする手当てが必要になろう。信託報酬が無報酬であるため,それに対応して注意義務の程度を軽減したい場合が想定される。受託者においては,義務違反による責任を問われる範囲を制限することができる。受益者(場合によって委託者)が受託者に対する義務違反を理由とする損失てん補請求(信託法40条)や差止請求(同法44条)等の責任追及をしづらくなる。受益者注意義務自己の財産に対するのと同一第1 29条2項ただし書無報酬等受託者41信託法第29条第2項本文の定めにかかわらず,受託者は,信託事務を処理するに当たっては,自己の財産に対するのと同一の注意をもって,これをすれば足りる。
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