8_別段
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① 定めを設ける必要が想定される状況② 定めを設けるメリット③ 定めを設けるデメリット「重要な事実」の通知が求められる趣旨を踏まえずに,信託行為において通知すべき具体的内容を規定すると,不当に通知内容が制約されることになり,受益者において当該利益相反行為について取消権等を行使すべきかどうかの判断材料を得ることの障害となりかねない。④ コメント受益者へ通知するべき「重要な事実」(信託法31条3項本文)について例示することにより,受託者による通知義務の履行を促したい場合が想定される。受託者において,自らが通知すべき内容である「重要な事実」(信託法31条3項)について,より具体的に把握することができる。信託法31条3項本文は,受託者からの受益者への通知について,利益相反行為についての「重要な事実」をその内容とすべき旨を定めるにとどまり,どのような内容であれば「重要な事実」の通知になるかが明らかでない。通知の趣旨は,受益者が受託者の行為を事後的にチェックする機会を与えることにあるから,受託者による行為の内容を把握して,取消権(信託法31条6項又は7項)等を行使するかどうかを判断することができるだけの内容でなければならない。そこで,条項例は,受託者において自らが受益者に対し通知するべき内容を把握することができるように,通知すべき内容を示したものである。第1章 受託者等受益者48固有財産利益相反信託財産通知通知内容の詳細化受託者

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