第332条3項ただし書 条文第32条 受託者は,受託者として有する権限に基づいて信託事務の処理としてすることができる行為であってこれをしないことが受益者の利益に反するものについては,これを固有財産又は受託者の利害関係人の計算でしてはならない。1 別段の定めをすることができる事項2 趣旨「第32条第3項の趣旨は,第31条第3項について解説したところと同旨に対する報告をしなくなり,ひいては利益相反により信託財産や受益者が不利益を受けることになる。信託関係人が家族の者であっても,家族内のコミュニケーションと,信託法上の通知や報告とは分けて取り扱うのがよいと思われる。(競合行為後の受益者への重要事実の通知の省略等)下記2記載の趣旨からすると,信託法31条3項の通知におけるのと同様の事項の別段の定めをすることができると解されるため,受託者による競合行為(信託法32条1項)を行った後の受益者に対する通知について,◦通知内容の指定◦通知時期・頻度の指定◦一部の省略(通知を要する競合行為の限定)◦全部の省略(免除)をすることができると考えられる。(中略)3 受託者は,第1項に規定する行為を固有財産又は受託者の利害関係人の計算でした場合には,受益者に対し,当該行為についての重要な事実を通知しなければならない。ただし,信託行為に別段の定めがあるときは,その定めるところによる。(以下略)第1章 受託者等50
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