ii※ 法令用語日英標準対訳辞書の訳語がネイティブの外国人にとって最も分かりやすい言葉かという点には様々なご意見があることも承知しております。すなわち、渉外系法律事務所に所属し日々外国人クライアントと勤務する先生方は上級者(プロ登山家)として場面に適した良い「訳」をお持ちなのです。しかしながら、本書は、私たちすなわち、法律英語の山の中腹を目指す者にとって最初の登山ガイドであり、まずは2100語をマスターすることに集中するのが最善であると考えています。なお、本文 中の“法務省は……”、“法務省の……”といった記述につきましては、いずれも“「法務省 法令用語日英標準対訳辞書」によれば”と読み替えてください。訳推進会議が編纂公表した「法令用語日英標準対訳辞書」のシソーラス※に準拠していることです。もともとは私が10年間コツコツ集めてきた仕事用の英単語帳をベースに、英単語の日本語訳を、徹底して、法令用語日英標準対訳辞書に準拠する修正を行いました。これにより、私個人の好みの翻訳ではなく、複数の専門家が審議して合意されたシソーラス※を「基礎」として身につけられます。 2020年12月 著 者◆本書の使い方 本書の使い方は、上記の制作経緯からも明らかですが、最低限度といえる法律英単語(約2100語)を大学受験、TOEFL/TOEIC教材のベストセラー単語集で私たちが昔やった方法と「同じ」ように、何度も何度も「グルグルまわす」ことにより語彙を記憶し定着させることに特化しています。うまくペンキを塗るコツは薄く何度も塗ること、と同じく、4つのランク毎に、1つ1つ語彙を定着させていく方法が最善の使い方であると考えています。 また、索引も充実させました。例えば、業務中、「委託」を翻訳することになった場合、「朝、単語を見たのに思い出せない」という際には、日本語の索引を利用して見てください。簡易辞書のように索引から素早く英単語記憶のシナプスを再発火し記憶を強化することができます。◆御礼 多くの皆様のお力によって、この書籍を世に送り出すことができたことを心から御礼を申し上げます。この書籍を皆様にお届けできることは、私たちの10年以上の夢だったからです。「この本は多くの方を助けると信じております」というSNSの投稿を見て、誰よりも早くお声掛けいただき、サブスク型書籍として人気書籍に育ててくださった弁護士ドットコム株式会社の松本慎一郎様、橋詰卓司様ほか皆様、そして前例のない書籍を心を込めて企画化し出版してくださった日本加除出版株式会社の盛田大祐様、佐藤慎一郎様ほか皆様に心から御礼申し上げます。この書籍が法律英語の第一歩を踏み出す多くの方の良きガイドとして成長し、ロングセラーとなることを願っております。
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