自原住
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 31) 巻末資料【資料1】参照。2) 巻末資料【資料2】参照。3) 『逐条解説公住法』5頁。2 公住法の目的 公住法1条は「この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、又は転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする。」と規定している。 憲法25条1項は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定し、同条2項は「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定している。 公住法は、憲法25条が保障する生存権を住生活の部面において具現化するものである。3 公営住宅に入居できる者(入居者資格) 公営住宅の入居者は「住宅に困窮する低額所得者」に限られる(公住法1条)。「住宅に困窮する低額所得者」は、「最低居住水準の住宅を住宅市場において自力で確保することが困難な者」と定義される。ここでいう「最低居住水準の住宅」は、住宅政策における最低居住水準、すなわち、専用の台所等の諸設備が確保され、かつ、最低居住面積水準以上の規模の住宅を指す3)。 このように、公営住宅の管理に関する事項は、公住法、公住令、公住規則(以下、これらを総称する場合、「公営住宅法令」という。)のほか、それぞれの自治体が制定する条例、施行規則によって、その内容を定めることとされている。それ故、公営住宅の管理に関する事項は、自治体ごとにその内容が異なる。そこで、本書では、便宜上、X市なる自治体が存するものとし、X市は、公営住宅に関し、X市市営住宅条例1)(以下「X市条例」という。)、X市市営住宅条例施行規則2)(以下「X市規則」という。)を制定しているものとして、説明することとする。 第1 公営住宅法の概要  

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