自原住
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21) 二面説については、第1章、第2、2、⑷のウ参照。1 訴訟物 使用料支払請求権は賃貸借契約に基づいて日々発生する。したがって、訴訟物は賃貸借契約に基づく使用料支払請求権である。 共益費は使用料とは別のものではあるが、共益費支払請求権は使用料支払請求権と同一の契約によって発生しており、両請求権の訴訟物は同一であると解される。 訴訟物の特定は、契約当事者、契約の目的物、契約締結日、契約の内容(使用料の定め等)、請求する使用料の期間等により行う。2 目的物が公営住宅であること 公営住宅の使用関係については、公営住宅法及びこれに基づく条例が特別法として民法及び借地借家法に優先して適用される(最高裁昭和59年判決)。それ故、上記①は、事業主体と入居者との使用関係全般に係わる事実であるので、その記載が必要である。3 使用許可 本書は、いわゆる二面説を採っており21)、公営住宅(上記①)については、賃貸借契約締結の前提として使用許可という行政処分が存することの記載が必要である(上記②)。  記載例:原告は、被告に対し、……のX市市営A住宅○○号室について使用を許可し、被告との間で、下記内容の賃貸借契約を締結した。4 賃貸借契約の成立 賃貸借契約は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせるこ ⑤ ④の引渡しの後、一定期間が経過したこと ⑥ ③で定められた賃料・共益費の支払期限が到来したこと 第2章 滞納使用料等の金銭の支払を求める訴訟66  

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