自原住
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38) 司法研修所『要件事実(1)』257頁も同旨。39) 改正民法97条では、「隔地者に対する」という文言は削除されている。隔地者間の意思表示に限らず、意思表示一般について到達主義を採用することを明示したものである。40) 岡口『要件事実(1)』158頁。41) 意思表示は、契約の申込・承諾のように、表意者が一定の効果を意欲する意思を表示し、法律がこの当事者の意欲した効果を認めてその達成に努力するものであるが、催告は一定の意思内容の表示(意思の通知)であるが、その意思内容が、その行為から生ずる法律効果以外のものに向けられている点で意思表示と異なるものである。⑺ 契約解除の意思表示及びその到達 隔地者間の意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生ずる(改正前民法97条1項)39)。したがって、解除の意思表示の到達は解除権発生の要件事実であるが、被告に争いがなければ、単に「〜の意思表示をした。」などと摘示すれば足りる40)。 催告は意思表示ではないが41)、到達に関しては意思表示に準ずるものとしの「不履行」は賃料請求の要件ではないとする本書の立場(司法研修所民事裁判教官室の立場でもある。)からすると整合性を欠く。また、挙証責任の公平な分担という観点からも相当ではない。やはり賃借人が「履行」の事実を主張立証すべきものと解するのが相当である。 そのように考えるならば、条件付契約解除の意思表示は「催告期間が経過した時に賃貸借契約を解除する。」旨の一種の停止期限(民法135条)付契約解除の意思表示であるとみるのが相当であり、そのような意思表示をしたことが要件事実となる(上記⑧)。そう解するときは、催告期間内に支払ったということが解除権発生の障害事由になり、賃借人に主張立証責任があることになる38)。もっとも、以上は、「賃借人が催告期間内に支払いをしなかった」という事実は解除権発生の要件事実ではないというに留まり、請求原因にそのことを記載してはならないとうことではない。実際には、下記記載例のように、賃借人が催告期間内に支払いをしなかったことを請求原因に記載した方が分かりやすいので、その方がよいと思われる。  記載例:原告は、被告に対して、平成○○年○○月○○日までに滞納賃料を支払うよう催告し、同日までに支払いがないときは、同日の経過をもって本件賃貸借契約を解除する旨意思表示をした。しかるに、被告は同日までに支払わなかった。74   第2章 滞納使用料等の金銭の支払を求める訴訟

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