自原住
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 7947) 設例1では、被告が本件住宅の使用を開始したのは、平成20年4月10日からであるが、これに先立つ同年同月3日に使用許可を受けており、この日に鍵の引渡しを受けたとみて(前記注2参照)、同日に本件建物の引渡しを受けたものとして記載した。引渡日をいつとするかは鍵の引渡日と考えてよいと思われる。で、近傍同種の住宅の家賃の額の範囲内で市長が定める額の金員を支払う(本件条例39条4項)。 3 本件住宅の引渡し   原告は、平成23年4月10日47)、本件賃貸借契約に基づき、被告に本件住宅を引き渡し、被告は同年11月1日から本件住宅に居住していた。 4 使用料等の滞納と明渡義務の発生   被告が支払うべき本件住宅の平成23年度の使用料は月5万円、共益費は月500円であるところ、被告は、別紙滞納使用料等一覧表記載のとおり、平成23年7月から同年12月までの使用料及び共益費(以下「使用料等」という。)合計30万3000円を滞納した。(甲5)   そこで、同24年1月20日、原告は、被告に対して、上記滞納使用料等を同月31日までに支払うよう催告すると共に、同日までに支払いがないときは、同日の経過をもって使用許可を取り消す旨、即ち、賃貸借契約を解除する旨通知し、同通知は同月21日に被告に到達した。(甲6の1、6の2)   しかるに、被告は同年同月31日までに上記金員を支払わず、本件賃貸借契約は同日の経過をもって解除された。   なお、被告は、同年1月1日から同年同月末日までの使用料等も支払わない。 5 使用損害金の請求   本件賃貸借契約には、使用損害金について前記2④記載の約定がある。本件住宅の近傍同種の住宅の家賃の額は月額8万円であり、X市長が、本件条例39条4項により定める額は月額8万円である。(甲7)   被告は、平成24年2月末日に本件住宅を明け渡した。したがって、使用損害金の発生期間は、契約解除の効力が生じた日の翌日である同年同月1日から本件住宅の明渡日である同年同月末日までの1か月である。それ故、使用損害金は8万円である。 第1 使用者に対する滞納使用料等請求訴訟  

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