行為依存と刑事弁護
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第1章第1章第1弁護士が出会う「行為依存症者」とは行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行行第1 弁護士が出会う「行為依存症者」とは  1・パチンコをやめなければ経済的に破綻する状況にも関わらずやめられない人・窃盗行為が犯罪になるとわかっているのに万引きを繰り返す人・痴漢行為を繰り返し,警察に捕まったことがあるのにまたやってしまう人 このように,「ある行為で自分に不利益やリスクがある(つまり『悪いこと』である)と分かっているが,その行為をやめたくても自制できない」状態になっている人たちが,本書のテーマである「行為依存症者」たちです。 彼らは,財産を失い,家族や愛する人を失い,自分の良さや能力を生かせる会社や学校という場を失うという大きな犠牲を払いながらも,それらの原因となっている依存行為をやめることができない,という依存1 弁護士は依存症者と出会う職業である 「悪いこと」だと分かっていれば,やらない。これが社会や集団の中で安心・安全に暮らすためのルールであり,私たちはそれぞれに自制しながらこのルールを守って暮らしています。 しかしながら,弁護士として仕事をしている中で,このような人たちに会ったことがあるかもしれません。行為依存症者を 弁護すること ~本書の活用方法など~

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