行為依存と刑事弁護
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の治療モデルである認知行動療法を中心とする)を行っていることからも明らかです。法務省も,性依存的傾向が認められる人の再犯防止を図るためには,認知行動療法の実施が重要であると考えているのです。私たち弁護人は,性依存の問題に対して,現存する社会資源を活用し,どのような弁護活動を行うことができるのかを模索し,実践していくことが大切です。 本稿では,まず,性犯罪の初動対応について,否認事件・自白事件に分けて簡単に説明します。自白事件のパートの中で,②の着目点についてもお話しします。18  第2章 性依存と刑事弁護2 性依存の問題に対する「気づき」の重要性 では,そのような弁護活動を行う前提として,どうしたら,性依存の問題に気づくことができるのでしょうか。 着眼点としては, ① 性依存とはどのような問題なのかを知ること ② 違和感をキャッチするための着目点を意識して対話することの2点が重要ではないかと考えています。 性依存という問題の正体がわからなければ,性犯罪=すべからく性的欲求充足のための行為であると勘違いして,問題を見過ごしてしまうおそれがあります。そのような見過ごしがなされ続ける限り,性依存の問題の根本は解決されず,それゆえ,再犯が繰り返されるおそれが高まります。このような負の連鎖は断ち切らなければなりません。まずは,性依存の問題に関する基本的な理解が必要不可欠です。 そして,性依存の問題に関する基本的な理解を前提として,対話における着目点をほんの少し意識すれば,素朴な違和感をキャッチすることは,決して難しくはありません。 ①については,次章「性依存症者の地域トリートメント」の項でくわしく解説しておりますので,そちらを参照ください。

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