行為依存と刑事弁護
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第3章第3章第1性依存症について性性性性性性性性性性性性性性性性 性依存症は,現在のところ公的な診断名はなく診断基準もいまだ定まっていませんが,パラフィリア障害群(以下,「DSM-5」と呼ぶ。)や強迫的性行動症(以下,「ICD-11」と呼ぶ。)などを含める概念であると定義できます。 また,犯罪化するものとしないものに分類することができ,犯罪化するものの中には被害者が存在するということが他の「自分の健康を害する類の依存症(アルコール・薬物・ギャンブルなど)」とは明確に違うところです。これらと,共通する特性としては,性的逸脱行動の衝動制御に失敗を繰り返しているにもかかわらずそれがやめられず,社会的損失や身体的損失,経済的損失を繰り返している状態が継続していることをいいます。 DSM-5において,性依存症に最も近い疾病概念としてパラフィリア障害群があげられます。ここには,窃触障害(痴漢),小児性愛障害,フェティシズム,露出障害,性的マゾヒズムや性的サディズム,窃視障第1 性依存症について  61(1) 性依存症の定義と分類,その特性(2) DSM-5とICD-111 性依存症とは性依存症者の 地域トリートメント

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