デジ作
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2 認印の廃止が行われた後も当面の間存続する個人や会社6第1章 デジタル社会における押印と電子署名に関する基礎知識は,今の時点ではなくせないというものであり,当面この83種類でいきたいとのことですが,デジタル化が進んで電子認証ということとなれば,またいろいろなことが考えられると説明されています。また,合わせて,行政手続で認印を廃止するために,政省令でできるものは順次進めていき,法律改正の必要なものについては,令和3年の通常国会において,一括法改正を目指すと説明されています。 したがって,今後,行政手続で認印が必要な手続は原則廃止され,押印が必要な手続は全体の1%にも満たない程度になることと思われます。また,行政手続で個人や会社の実印が必要な手続は,次頁の図表2─1に記載のとおりであるとされており,これらの手続は当面存続するとのことですが,デジタル化の進展や電子認証制度の進展,普及の向上などにより,手続方法が変わる可能性も十分にありますので,実務動向については今後も注視する必要があると思われます。 行政手続で個人や会社の実印が必要な手続のうち,上記認印の廃止が行われた後も当面の間存続する法務省及び財務省が所管している主な行政手続は,次のとおりであるとされています。法務省及び財務省以外の府省が所管している手続でも,個人や会社の実印が必要な手続が各種あります。3) なお,認印の原則廃止の方針を受けて,商業登記規則等の一部を改正する省令(令和3年法務省令第2号)の一部が令和2年2月15日付で施行され,「会社法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(通達)令和3年1月29日法務省民商第10号」が発出されました。同通達では,押印規定の見直しが図られており,一部の書面を除き,法令上,押印又は印鑑証明書の添付を必要とする旨の規定がない書面については,押印の有無について審査を要しないこととされています。の実印が必要な手続

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